頼らない子育て

人と違うを楽しむ×子育て

『出来そうなこと1つの目標を与える』方法

特別支援学校の先生はT先生という男のかたでした。

T先生はFくんがすることを静かに見ていて、マイナスの行動には何も反応せず、プラスの行動にのみ褒める言葉をそっと掛けていました。
わたしに心をなかなか開いてくれないFくんが、初対面のT先生に自分から寄って行きました。

T先生がまずしてくれたのは、ボロボロになっているわたしの心へのフォローでした。
少し経ってから気づけたことですが、その時は良いと思っていたFくんへの対応も、ダメなことばかりでした。
こだわりを諦めさせようとしたり、静止を多くしたり。
Fくんが嫌がることを、Fくんのためだと思ってしていました。
でも、T先生はその時、わたしのダメなところを1つも伝えようとしませんでした。
T先生はFくんにもわたしにも、ダメな部分について反応せず、プラスの行動にのみ声を掛けてくれていたのです。

そのことを後ほど気づけたとき、自分の駄目さ恥じる気持ちと、心を折らないで支えてくれたことへの感謝の気持ちが溢れました。
そして、マイナスな部分への反応をしない理由も少しづつ理解していきます。



わたしが困っていることに対して、「こういう方法があるよ」という言葉だけを掛けてくれました。
「うんうん、頑張っているね」と声を掛けてくれました。
そして会うたびに1つだけ、目標をくれました。

最初にもらった目標は、Fくんが走る(逃げる)。そのあとをわたしが追う。という関係性を変えること。
行く前に「どこかに行きたいの?」「いいよ」「じゃあ、一緒に行こうね」と共に動くようにします。

はじめは行こうとするFくんに「テラス(お気に入りの場所の1つでした)行きたいの?」と聞くと、また止められると思ったのでしょう。
顔をこわばらせていましたが、「いいよ。一緒に行こうか」と声を掛けるとニヤニヤした表情に変わったのを、鮮明に覚えています。




なかなか寝なかったRくんに声を掛けた時、「寝なさい」と言われると思っていたRくんが、
「寝なくてもいいから、ごろんしていてね」という言葉に反応して、布団に乗りました。
寝たくないという気持ちに寄り添ってあげることで、Rくんのきもちがほぐれたのだと思います。
T先生のアドバイスから学べたことです。
声の掛け方で、こんなに関係性が変わるんだとハッとした出来事でした。




自閉症の子は、自分の中で決めたルールを守ろうとしたり、物事に強いこだわりを持っていることが多くあります。
Fくんもこのこだわりが強く、家から着てきたウィンドブレーカーを日中暑くなって汗ダラダラになっても、脱ごうとしなかったり。
食事にも強いこだわりがあり、入園した当初は白米・肉・魚のみしか食べられませんでした。
水に強い興味を持っていて、ずっと水に触れていたい様子で、「そろそろおしまいにしましょう」と言っても、蛇口を閉めようとしませんでした。
ウィンドブレーカーを脱がせようとしたり、蛇口を止めようとしたわたしの手を強くつねったり、体当たりしたり、時には関係のない近くにいる人や物に向かっていったりすることもありました。
担任の先生に向かって行ったとき、「もうやだ~。そういうの、やめさせてくれる」と真顔で言われて『え・・?どうやって?』と泣きそうになったことを思い出します。





T先生の『出来そうなこと1つの目標を与える』方法は、わたしの子育ての基礎になっています。
出来そうなこと。
1つだけ。
何もできないと思っていた自分が、やれるかも・・と思えたこと。
それが出来たとき、とても充足感があって、次も頑張ろう、もっと頑張ろうと思えたことを身をもって知ったからです。


この方法は、子育てしてく上で、とても大きなヒントになりました。
お手伝いでも、勉強でもちょっと頑張れば出来そうなものを与えて、出来たら誉める。
その繰り返しは成功体験の積み重ねになります。
成功体験の積み重ねでできるようになったことは、大変であっても楽しいことになります。
やりがいのあることになります。

息子はお手伝いも勉強も、好きか嫌いかで言ったら、たぶん好きだと思います。
毎日自分からゴミ捨てに行ってくれますし、勉強したいこと(教科にもよります)がたくさんあるそうです✨

それについても詳しく書きたいのですが、何を書いているのか分からなくなってしまうので、今はまずFくんのことを書いていきます。



次にT先生からもらった目標は、こだわりとの付き合い方と止め方についてです。
かたい話が続いているのに、読んでいただいてありがとうございます✨



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